舌の位置間違っていませんか?正しい位置を知りましょう!
舌が正しい位置に置かれてないと歯並びや口腔機能が悪くなる可能性があります。反対に舌が正しい位置に置かれていると、歯並び以外に口の中の乾燥防止やウイルスや細菌からの感染防止にも効果があります。今、あなたの舌はどこに置かれていますか?
このコラムでは、「正しい舌の位置」・「歯並びへの影響」・「舌の悪い癖を直す方法」について紹介します。
【目次】
1、正しい舌の位置をセルフチェック!
2、低位舌の方は要注意!その特徴とは?
3、舌の位置が悪いとどんな影響がある?
4、低位舌が疑われる状態
5、今日からできる舌癖改善トレーニング
・MFTベーシックエクササイズ
・リップエクササイズ
6、舌の癖が強い方でも安心な治療方法
正しい舌の位置をセルフチェック!
まず最初に自分の舌の位置を確認してみましょう。
舌の位置は上顎(口蓋)にペタッとついている状態が正しいです。
舌が歯に当たっていたり、どこにも当たっていない状態は正しい位置ではありません。
また、舌の先端だけが上顎についている状態も正しい位置ではありません。
舌の正しい位置とは、「上の前歯の裏に舌の先端がつき、舌全体が上顎についている」状態です。
正しい位置に舌があると、歯並びだけではなく体にも良い影響があります。舌が上顎についていることで呼吸と共に空気中に存在するウイルスや細菌を体内に取り込みにくくなり、感染予防に繋がります。また、舌や舌周囲の筋肉が鍛えられることで、顔や首のリフトアップ効果も期待できます。
低位舌の方は要注意!その特徴とは?
上記でもお伝えしたように、舌の位置は上顎(口蓋)にペタッとついている状態が正常です。しかし、口呼吸など悪い癖があると舌の位置が正常な位置より下がってしまいます。その状態を「低位舌」といいます。口を開いてベロの側面に歯形がついている場合は、「低位舌」の可能性が高いです。舌は筋肉でできていますが、低位舌だと舌の筋肉が弱まり、舌の動きも悪くなりやすいです。そのため、低位舌は歯並び以外にも発音や滑舌を悪くする原因にもなります。
舌の位置が悪いとどんな影響がある?
歯は、歯列内側にある舌と歯列外側にある頬や唇による圧力のバランスが安定した位置に並びます。
低位舌のように舌の位置が下がっていると、上顎(口蓋)に力がかからないため、歯列内側に対しても舌の力がかかりません。そのため頬や唇の力による歯列の外側の力のみかかってしまいます。その影響で、上の歯列は狭まった歯列やV字型の歯列になります。また、低い位置にある舌の力がどこにかかるかで上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開咬のいずれかの状態になります。舌・唇・頬の力は、そんなに大きな力ではありませんが、毎日継続して力がかかることで歯の位置を動かすまでの影響を与えてしまいます。
日本医師会は「8020運動」(健康のために80歳になっても自分の歯を20本以上残すことを目標にした運動)を推進していますが、「受け口」「開口」の方でこれを達成されている方はほとんどいらっしゃいません。従って、「受け口」「開口」は、将来、自分の歯を失うリスクが高い歯並びとも考えられます。
低位舌が疑われる状態
①ぽかん口
舌が低い位置にあると気道も狭くなりやすいです。そのため口呼吸をして気道を確保しようとし、口がぽかんと開いている状態になります。
②舌足らず
低位舌は舌の筋肉が弱まり、動きも悪くなります。特に、上の前歯の裏に舌をあてて発音するサ行、タ行、ナ行、ラ行が言いづらくなります。
③食事中にくちゃくちゃ音がする
低位舌の場合、食事中も口が開いてしまうことがあるため、クチャクチャ音が外に漏れやすいです。
④口呼吸により口が乾燥気味
低位舌は気道がふさがりやすいため、気道の確保のために口呼吸になります。口呼吸により口の中が乾燥することで虫歯や歯周病のリスクが高まります。
⑤いびきをかく
低位舌は気道がふさがりやすいため、就寝中にいびきをかきやすいです。
⑥むせやすい
低位舌は舌の筋肉が弱まり、動きも悪くなります。そのため摂食嚥下が上手くできず、むせてしまうことが多いです。
⑦風邪をひきやすい
低位舌は口呼吸になりやすく、口の中が乾燥しやすいです。そのため、細菌やウイルスを直接体内に取り込んでしまい、風邪をひきやすくなります。
今日からできる舌癖改善トレーニング
歯並びは、遺伝だけでなく口周りの癖が大きく影響します。その癖を改善するトレーニングとしてMFT(口腔機能療法)があり、矯正治療と並行して行なわれることもあります。
MFTの中から自宅でもできる簡単なトレーニングをご紹介します。
MFTベーシックエクササイズ
①ティップアンドスティック
棒を口の前に持ち、舌の先端を真っ直ぐ尖らせて強く押し合います。3秒間を10回行います。
(point)
舌は曲がらないように真っ直ぐに。唇や歯を使って舌を支えない。
②スポットポジション
舌の先端をつける位置を覚えることを目的とします。尖らせた舌の先端をスポットに当てます。
(point)
舌の先端が丸まらない様にする。最初に棒などでスポットに触れ、確認してから舌をあてるとわかりやすい。
③ポッピング
舌を上げる力を鍛えることを目的とします。
- 舌全体を上顎に吸着させた状態で、口を大きく開けて舌の根元にある筋を伸ばす。
- 舌をそのまま吸い上げていくと、舌がポンッと鳴って下に下がります。
- これを10回繰り返しましょう。
<point>
舌の先端はスポットにつける。音を鳴らすより、舌の筋を伸ばすことを意識してゆっくり行なう。
③ポスチャー
舌の先端をスポットにつけることを習慣付けるために行います。
舌の先端をスポットにつけたまま、犬歯の後方部でストローを噛みます。できるだけストローに頼らずスポットの位置に舌の先端をつけるようにします。5分間行います。
④リップトレーサー
口を開けた状態で舌の先端で唇をなぞります。左右5~10往復行います。
⑤ガーグルストップ
口を上に向けて大きく開けた状態でガラガラうがいを行ない、途中で止めます。3秒間ガラガラうがい、5秒止めることを7~10回行ないます。
リップエクササイズ
①ボタンプル
口周辺の筋肉を鍛える目的で行います。
奥歯は噛んだ状態で、前歯と唇の間に紐を付けたボタンをはさみます。ボタンが抜けないように唇で押えて、紐を引っ張ります。
②唇を閉じられるようにする
棒を唇で挟み口を閉じる練習を行ないます
③風船を膨らます
風船を膨らますことで唇と頬の筋肉が鍛えられます。
舌の癖が強い方でも安心な治療方法
特に舌の癖が密接に関係しているのが「開咬(オープンバイト)」です。開咬は不正咬合の1つで、歯を噛み合わせた時に、奥歯のみが噛み合っていて前歯が噛み合わず隙間ができている状態をいいます。矯正治療の中でも治療の難易度が高く、治療終了後も後戻りしやすい傾向にあります。
しかし、インビザラインはマウスピース型の矯正装置を使用する特徴により一般的なワイヤー矯正より開咬の治療に向いています。その理由として、「装置が歯の噛み合う面を覆うため奥歯を沈み込ませやすい」「装置が歯列全体を覆うため舌の癖などの影響が出にくい」「治療後の保定もマウスピースを使用しやすい」などが挙げられます。
かなまる歯科クリニックの「無料矯正相談」を受けてみませんか?
個人差により期間や治療方法は異なりますが、舌の癖が強い方でも改善できるトレーニングや治療法はあります。
かなまる歯科クリニックでは、歯並びのお悩みや矯正治療についてのご相談を無料で受け付けております。
お口のことで悩まれている方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。