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子供の口呼吸で歯並びは悪くなるの?今から行える対処法とは

【監修:歯科医師・かなまる歯科クリニック院長 金丸 智士】


笑っている女の子

「呼吸」と「歯並び」は大きく関係しています。呼吸が正常に行えないと、お口周りの筋肉や顎が十分に成長できず歯が本来生えるべき所に生えることができなくなります。それが原因で、歯並びや噛み合わせが崩れてしまうことがあります。今回は、口呼吸の対処法や治療法をお伝えします。

【目次】
1、口呼吸だと出っ歯や受け口になるの?
2、口呼吸が歯並びに与える影響とは?
 ・出っ歯(上顎前突)
 ・受け口(反対咬合)
 ・開咬
3、口呼吸がもたらす歯並び以外のデメリットは?
 ・表情筋が弱くなり、シワの原因にも
 ・むし歯の原因にもなる
 ・口臭の原因にもなる
4、口呼吸を改善する方法はあるの?
5、お子さまの口呼吸や歯並びでお悩みでしたら当院へ

口呼吸だと出っ歯や受け口になるの?

呼吸を鼻ではなく、口で行うだけで顔の印象や歯並びは変わってしまいます。不正咬合の大きな原因は、歯列の内側にある舌の歯を押す力と、歯列の外側にある口の周りの筋肉(唇・頬)の力のバランスによります。口呼吸を行なうと、舌の位置が正常な位置からずれてしまい、その舌の力により上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開口になってしまいます。

口呼吸が歯並びに与える影響とは?


呼吸時の横顔の断面図

本来、舌の位置は上顎(口蓋)に接しています。しかし、口呼吸をすると舌の位置が下がってしまいます。そうなると、上顎(口蓋)に力がかからないため、歯列内側の力はかからず、頬や唇の力による歯列の外側の力のみかかってしまいます。その影響で、上の歯列は狭まり狭まった歯列やV字型の歯列になります。また、低い位置にある舌の力がどこにかかるかで上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開口のいずれかの状態になります。
舌や唇、頬の力は、そんなに大きな力ではありませんが、毎日継続して力がかかることで歯の位置を動かすまでの影響を与えてしまいます。

出っ歯(上顎前突)

口呼吸の方は舌の位置が正常な位置より下がります。下がった舌の先が上の前歯の裏側に接していると、舌の力で上の前歯が押され、上顎前突(出っ歯)になります。出っ歯になると、更に口が開きやすくなります。そのため、口の中が乾燥しやすくなり、虫歯のリスクが高まります。

受け口(反対咬合)

歯を噛み合わせた時に上下の前歯の位置が反対になっている状態で下の前歯が前に出ている状態をいいます。
口呼吸の方は舌の位置が正常な位置より下がります。下がった舌の先が下の前歯の裏側に接していると、舌の力で下の前歯が押され、反対咬合(受け口)になります。反対咬合は発音障害や舌が下がることによる気道圧迫の原因にもなります。

開咬

歯を噛み合わせた時に、前歯が噛み合わず隙間ができている状態をいいます。
口呼吸の方は舌の位置が正常な位置より下がります。下がった舌の先が上下の前歯の間にあると、上下の前歯の間に隙間ができ開咬になります。開咬は前歯が噛み合わず、奥歯のみ噛み合っている状態になります。そのため、食べ物がかみ切れません。また、奥歯だけしか噛み合っていないので、奥歯に何倍もの負担がかかります。

日本医師会は「8020運動」(健康のために80歳になっても自分の歯を20本以上残すことを目標にした運動)を推進していますが、「受け口」「開口」の方でこれを達成されている方はほとんどいらっしゃいません。従って、「受け口」「開口」は、将来、自分の歯を失うリスクが高い歯並びとも考えられます。

口呼吸がもたらす歯並び以外のデメリットは?

人間の正常な呼吸方法は鼻呼吸です。その呼吸方法が、口呼吸になると歯並びだけではなく、健康面や表情にも悪影響が及びます。

表情筋が弱くなり、シワの原因にも

顔には多くの表情筋が存在しています。その表情筋の1つに、口の周りを囲んでいる口輪筋があります。口呼吸で口が開いていると口輪筋に力がはいらず弱くなります。そのため、口元がたるんだり、口角がさがったり、ほうれい線もできやすくなります。

むし歯の原因にもなる

口呼吸の方は、口の中が乾燥しやすく(ドライマウス)、歯が唾液にさらされにくくなります。唾液には清浄作用(唾液の流れにより食物片や細菌などを洗い流す)、抗菌作用(唾液に含まれる酵素により細菌の働きを抑制する)、再石灰化作用(唾液に含まれるミネラル成分により歯質を強化し、初期虫歯も健康な状態に戻す)があります。しかし、歯が乾いていると、この効果を得にくくなり虫歯のリスクが高まります。

口臭の原因にもなる

口呼吸だとドライマウスになりやすく、口の中の唾液量も減るため、唾液の清浄作用や抗菌作用の効果が低くなります。そのため、口の中の細菌が増え、口臭に繋がります。特に虫歯や歯周病菌は悪臭に繋がりやすいです。

口呼吸を改善する方法はあるの?

あいうべ体操で口輪筋を鍛える

口輪筋が弱いと口が開きやすく口呼吸になりやすいため、口輪筋を鍛えるトレーニング「あいうべ体操」を行なうと効果的です。やり方は、口を大袈裟に「あ~」「い~」「う~」「べ~」と動かします。最低でも1日30回行なうと良いです。(「あ~」「い~」「う~」「べ~」で1セット)このトレーニングで舌の位置が改善する効果があります。人によっては1ヶ月長くて3ヶ月で効果が見られた方もいらっしゃいます。


口とじテープを使用する

就寝時は意識的に口を閉じることが難しいです。そんな時は医療用テープや絆創膏を使用するのがお勧めです。軽く唇を閉じた状態で、縦向きにテープか絆創膏を貼り付けます。ガムテープやセロハンテープなどを使用すると、肌がかぶれやすいので、必ず医療テープや絆創膏を使用しましょう。起床時に外れていることもありますが、気にせず続けましょう。


歯医者で「口呼吸改善」の相談をする

大人の方で歯並びが原因で口呼吸になっている場合は、矯正治療が必要になることもあります。子供の場合だとマイオブレイス矯正(MRC:予防的矯正治療)という方法があり、正常な顎の成長を促す装置を使用し、口周りの筋肉を鍛えながらトレーニングを行うプログラムもあります。

お子さまの口呼吸や歯並びでお悩みでしたら当院へ

口呼吸は歯並びが乱れる原因の1つです。お子さまを対象に口呼吸を改善する「口腔筋機能療法(MFT)」と呼ばれる治療がありますが、これは歯科医院が専門とする分野です。
口腔筋機能療法では、口呼吸や舌の使い方、発音の仕方など、お口の使い方を改善していきます。口腔内が正常に発達すると、歯並びを悪くする原因が解消され、本来あるべき良い歯並びへ導くことができるので「予防矯正」とも呼ばれます。

ただし、この治療方法は対象年齢が限られています。個人差がありますが、およそ5~10歳ころのお子さまでないと思うような効果が期待できない可能性があります。

成人や骨格などが影響して口が開いてしまう場合は、自力での改善は難しく、歯列矯正が必要になる場合もあります。

当院ではお子さまの口呼吸のご相談や、予防矯正プログラムにも対応しております。お子さまの成長はとても早いです。もしもお困りのことがあれば、かなまる歯科クリニックへご相談いただければと思います。

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