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なぜ歯科矯正に失敗例があるのか。その対策について

【監修:歯科医師・かなまる歯科クリニック院長 金丸 智士】


悲しそうな表情を浮かべて座り込んだ女性

矯正治療は高額な治療で治療期間も長いです。その分、矯正治療を受けたいが不安を感じてしまう方も多いと思います。また実際に矯正治療を受けて失敗したと感じている方もいらっしゃるのではないかと思います。今回は、「矯正治療の失敗例やその原因」「歯科医院選びのポイント」「失敗した場合の対策」などをお伝えします。

【目次】
1、矯正治療に失敗した患者さんの症状とは?
2、歯科矯正の失敗例について
3、歯科矯正の失敗原因とは?
4、歯科矯正で失敗したくない!大切な歯科医院選び!
5、歯科矯正の失敗に気づいた時に行なうべきこと
6、信頼のおける歯科医院を探して後悔のない治療を

矯正治療に失敗した患者さんの症状とは?

矯正治療後に、その治療結果に納得できず再治療を希望して受診される方がいらっしゃいます。患者さんに矯正治療に対して失敗したと感じる理由について聞くと、

  • 予想していた歯並びにならなかった
  • 治療期間が予定より大幅に長引いた
  • 口元が不自然になった
  • 矯正治療完了後に後戻りしてしまった
  • うまく噛めなくなった
  • 担当する歯科医師に質問しても、明確な説明をしてくれなかった

という声をよく聞きます。
その原因には、歯科医師の説明不足もしくは患者さんの治療への協力が不十分で計画通りに治療が進まないことなどが挙げられます。一番大切なのは、どんなに些細な疑問でも担当する歯科医師に聞いて、疑問を解消することです。しかし、疑問に対して納得のいく答えが返ってこない場合は、セカンドオピニオンで他院の歯科医師の意見を聞く方法もあります。
噛み合わせや歯並びが治らない等の失敗例はもちろん、患者さんが矯正治療に対して不安を感じて他の医院を受診した場合も失敗例だといえます。歯科医師は、患者さんとのコミュニケーションをしっかりとり、どんな質問でも納得のいく答えを患者さんに提供して安心して治療を受けてもらう必要があります。

歯科矯正の失敗例について

①不正咬合が治らず、治療期間が大幅に長引いている

矯正治療は基本的に2~3年はかかる長期の治療になります。そのため、精密検査、診断、分析を行い綿密な治療計画を立ててから行います。人間の体に対して行なう治療のため、期間や計画に多少のズレが生じることもあります。治療計画に沿わないことが起こり、歯科医師がその都度、治療方針を変更する場合は、治療計画自体が上手く立てられていない可能性があります。その結果、長い治療期間をかけても不正咬合が改善されず、そのまま治療終了になることもあります。


②正中がずれている

口においての正中とは歯並びの中心で、上の歯の左右1番目の歯の間、下の歯の左右1番目の歯の間を指します。矯正治療が完了した後に、この正中(歯並びの中心)がズレる場合があります。正中がズレると噛み合わせもズレてしまうことがあるので食べ物を咀嚼しにくかったり、顔のゆがみや顎関節症に繋がることもあります。
しかし、歯の大きさ、本数が左右異なる場合は、臼歯が正しく噛み合い、上下前歯の「前後位置関係の状態(オーバージェット)」が正常な状態であれば、上下の歯の正中がズレた状態でも、患者さんにとって適切な噛み合わせを獲得したと歯科医師が判断して治療が完了することもあります。事前に治療計画上での治療完了時にどんな歯並びになるか歯科医師に確認してみましょう。


③前歯が出てきた(オープンバイト)

矯正治療は歯を正常な場所に移動させて、歯並びと噛み合わせを改善します。歯を動かす事でスペースを作り出せる場合は問題ないですが、必要なスペ-スができない場合は抜歯を必要とすることもあります。抜歯をしない方法に拡大床を使用する治療もありますが、歯の並びを外側に広げるため出っ歯になることがあります。抜歯は慎重になりますが、事前に「なぜ抜歯が必要か」「どの歯を抜歯するのか」、抜歯をしない治療方針の場合は「抜歯なしで理想の歯並びになるのか」など疑問に思ったことを歯科医師に質問して、疑問を解消した上で治療を始めましょう。


④元の歯並びに戻った

長い時間をかけて矯正したにも関わらず、歯並びが元に戻ってしまうことがあります。
矯正治療は少しずつ歯を移動させて行いますが、歯にとっては無理に歯を動かしていることになるため、歯は元の位置に戻ろうとします。このことを後戻りといいます。後戻りを防ぐために、矯正治療後もマウスピースの様な着脱できる保定装置を使用します。基本的には、矯正治療と同じ期間使用することになります。後戻りの主な原因は、保定装置を指示通り使用しなかったことが多いです。綺麗な歯並びを保つために、治療の際は歯科医師の指示に従うようにしましょう。


⑤顎関節症を発症した

矯正治療と顎関節症は直接的な関係性はないとされています。しかし、矯正治療中に顎関節症が発症することはよくあります。それは顎関節症が発症する時期にも関係しています。顎関節症は10代後半頃から徐々に多くなり、特に多くなるのが20代~30代頃です。この時期は自分の容姿を気にして矯正治療を受ける方が多いため、矯正治療中に顎関節症を発症してしまうのではないかと考えられます。他にも、矯正治療患者さんの食いしばりが強かったり、姿勢が悪く顎に負担がかかっている場合も顎関節症が発症しやすいです。痛みが強くなければ、矯正治療を継続することが多いです。これらは「正しい矯正治療」ということが前提でお伝えしています。
まれに、間違った矯正治療を受けてしまい、噛み合わせが悪くなることで顎関節症を発症することもあります。「口を大きく開けると痛みを感じる」「口を開けるたびに音がする」ことがあれば、歯科医師に相談しましょう。


⑥歯の根が短くなった

矯正治療で1番多く見られる副作用は歯の根が短くなることです。これを歯根吸収といいます。程度の違いはありますが全ての患者さんに起きます。レントゲン写真では確認できない程度です。レントゲン写真で確認できる歯根吸収の程度は歯根が3分の1程短くなった場合です。矯正治療で歯根が3分の1程短くなる確率は数%です。矯正治療における歯根吸収は、その後、進行せずに止まることがほとんどです。歯根が短くなった場合、ケアを怠り歯周病が進行することがない限り、歯の寿命も正常な歯と変わりません。
歯は無理に大きく移動させようとすると歯根吸収のリスクが高まります。多くの歯科医院で、定期的(基本的に1年毎)にレントゲン写真を撮影して確認しながら治療を進めるので、気になることがあれば歯科医師に確認してみましょう。


⑦虫歯が進行した

矯正治療には大きく2種類あり、1つ目は装置を歯に接着するワイヤー矯正、2つ目はマウスピース型の矯正装置を使用するマウスピース矯正があります。ワイヤー矯正は、特に歯と歯の間が磨きにくく、フロスも使用できないため、虫歯のリスクが高くなります。マウスピース矯正は、装置をはずすことができ、歯磨きも通常通りできるのでワイヤー矯正より虫歯のリスクが低いです。しかし、マウスピースを使用することで唾液の作用を遮断することになります。
唾液には清浄作用(唾液の流れにより食物片や細菌などを洗い流す)、抗菌作用(唾液に含まれる酵素により細菌の働きを抑制する)、再石灰化作用(唾液に含まれるミネラル成分により歯質を強化し、初期虫歯も健康な状態に戻す)の働きがあります。
マウスピース矯正だからと安心せずに、矯正治療中にもクリーニングを受けるようにしましょう。


⑧矯正に関係ない歯を抜いてしまった

できるだけ抜歯をしない矯正治療を希望される患者さんが多いですが、矯正治療には歯を綺麗に並べるために抜歯を行い、スペースを作る場合があります。抜歯をせず、無理に矯正治療を行なってしまうと、前歯が出てしまったり悪影響をもたらす場合があります。
しかし、抜歯する歯の選定を間違えると、スペースが思ったようにできなかったり、噛み合わせが悪くなることもあります。必ず、「どの歯を抜くのか」「どの様な治療計画で抜くのか」を歯科医師に確認しましょう。


⑨質問の答えが曖昧

矯正治療は長い期間続く治療になります。治療中に、自分の歯並びが気になって疑問が湧いてくることは、患者さんの立場であれば当然のことです。そのような疑問があれば、歯科医師に必ず確認しましょう。しかし、歯科医師が質問に対して、曖昧に答えたり、納得のいく答えを返してくれなかった場合は、治療が良い方向に進んでいるのか確認するためにも他の医院でセカンドオピニオンを考えられてもよいかもしれません。

歯科矯正の失敗原因とは??

①歯並びが複雑

不正咬合など歯並びが複雑な場合は、矯正期間も長くなりやすいです。あまりにも状態が複雑な場合は外科治療も必要になることもあるため、更に治療期間が長くなる場合も考えられます。


②抜歯の判断と選定

矯正治療では、歯を綺麗に並べるために歯を抜いてスペースを作ることがあります。しかし、抜歯が必要なのに患者さんの希望を優先して抜歯をせずに矯正治療を進めたり、抜歯する歯の選定を誤った場合、正中がずれたり、出っ歯や噛み合わせの悪化を引き起こすことがあります。抜いてしまった歯を元に戻すことは不可能です。抜歯の判断と選定が間違ってしまうと、矯正治療の失敗に繋がることがあるため、事前の検査とシミュレーションをしっかり行ってもらいましょう。


③歯や顎のサイズ

顎のサイズが小さいことで歯並びがガタガタになっている場合、顎を広げる必要もあり治療の難易度も上がります。そうすると治療期間も長くなります。一方で顎の大きさが正常であっても、歯のサイズが大きい場合は歯並びを綺麗にすることで、歯の大きさが強調されることもあり、思ったような歯並びにならない場合もあります。
事前にシミュレーションを行ない、綿密な治療計画を立ててもらうことが大切です。


④後戻りに対する処置が不十分

矯正治療は、歯を綺麗に並べたら終わりと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、歯並びを治した後は後戻りに対する処置が必要になり、マウスピースの様な保定装置を使用します。保定装置は基本的に約2~3年使用することになります。保定期間1年は非常に重要で、1日23~24時間は保定装置の装着が必要になります。その後は、就寝時のみになり、状態によっては徐々に保定時間が少なくなります。ほとんどの場合、2年目からは保定が必要なくなります。保定装置を正しく使用しないと、元の歯並びに戻ってしまうこともあるので注意しましょう。


⑤口腔ケアがうまくできない

矯正治療中にお口のケアが上手くできていないと、虫歯のリスクが上がります。虫歯が小さい場合は、装置がついた状態で虫歯治療を行なうこともできますが、大きな虫歯の治療だと装置を外す必要があり、矯正治療を中断することになります。マウスピース矯正の場合は、取り外して治療することは簡単ですが、大きな虫歯ができて詰め物や被せ物を装着する場合は、マウスピースを作り治す必要があります。歯と歯の隙間などの細かい部分を磨くのが難しいようなら、歯ブラシと一緒にタフトブラシなどの清掃補助用具を使用することをおすすめします。


⑥歯科医師の技術・説明不足や患者さんの協力不足

綿密な治療計画を立てても、技術が低いために矯正装置を正確に装着できなければ、失敗するリスクが高くなります。歯科医院は、よく考えて選びましょう。また、患者さんの治療への理解が不十分だと、治療に対する協力が得にくくなります。歯科医師と患者さんがお互いに治療の流れやゴールを理解した上で、治療を進めることがとても重要です。

歯科矯正で失敗したくない!大切な歯科医院選び!

矯正治療後、トラブルに合わないためには歯科医院選びがとても重要です。費用の安さや治療のメリットのみに惑わされないようにしましょう。

①矯正歯科専門医院を探してみましょう

一般歯科医院は虫歯治療から歯周病治療など幅広い治療を行なっています。歯周病治療が得意だったり、入れ歯の作成が得意だったり、それぞれの医院で特徴があります。しかし、矯正治療は専門性が高い治療になるため、一般歯科では器材等を揃えるのが難しい場合があります。矯正を考えている方は矯正歯科専門医院を探すことをおすすめします。なぜなら、一般医院で矯正治療を行なっている医院より圧倒的に症例数と実績が多いからです。


②矯正歯科認定医・専門医なのかどうか確認しましょう

歯科矯正は、歯科医師免許を持っている歯科医師なら誰でも行なうことができます。その中でもより専門性が高い医師に矯正歯科認定医と矯正歯科専門がいます。
矯正歯科認定医は、大学病院など矯正歯科の治療・技術を5年以上学び、学会発表などの審査に合格する必要があります。矯正歯科における最低限の知識・技術を学ぶための資格です。
一方で、矯正歯科専門医は審査の合格条件が厳しいです。歯科医師は現時点で10万人存在しますが、歯科矯正専門医は500人に満たない状況です。
矯正歯科専門医は、学会において知識や技術が認められているため、歯列矯正認定医より安心して治療を受けることができます。もちろん矯正歯科認定医にも技術の高い歯科医師が存在します。


②全て患者の希望通りは要注意

最終判断は信頼できる歯科医師かどうかになります。患者さんの希望を全て聞いてくれる歯科医師が良いとは限りません。精密な検査を行なった上で、患者さんの歯並びの特徴にあった治療についてメリットだけではなくデメリットまで、きちんと説明してくれる歯科医師を選びましょう。例えば、抜歯が必要な患者さんなのに、患者さんの希望で抜歯を行なわず矯正治療を行なうと、出っ歯になるなど、後々トラブルが起こってしまいます。患者さんの希望であっても、できないことはできないと伝えてくれ、そのことに対しても患者さん目線で掘り下げて説明してくれる歯科医師なら安心です。

歯科矯正の失敗に気づいた時に行なうべきこと

①治療状況をまとめておきましょう

矯正治療で失敗した状況をまとめておきましょう。時系列で担当歯科医師の発言や治療の様子、症状の変化などを書き留めておきましょう。保定装置を指示通り使用してなかったり、治療後の定期健診を受けていないと、患者側が不利になることもあります。治療後、歯科医師の指示に従っていたかどうか、自分の行動も書き留めておきましょう。


②治療記録を揃えておきましょう

「矯正治療の領収書」「治療の同意書や契約書」「カルテの内容」「治療前後の状態がわかる写真」「医師の発言の記録」など、できるだけ治療に関する記録を集めましょう。


③矯正治療トラブルに関係する機関に相談してみましょう

・日本臨床矯正歯科医会
学術団体であり、矯正歯科開業医の集団のため、医療機関とのトラブルに対して介入してもらうことはできませんが、中立的な医学的情報を提供してくれます。

・医療安全支援センター
医療安全支援センターは都道府県、保健所を設置する地域において日本全国380ヶ所以上設置されている機関です。医療安全支援センターは、医療に関する苦情・心配や相談に対応しており、医療安全に関する助言および情報提供等を行っています。

・各自治体の歯科医師会
日本歯科医師会は、歯科医師社会を代表する唯一の総合団体です。学術研修事業や国民の健康と福祉を増進する事業等を行なっています。各自治体に歯科医師会はあるので、治療に関する相談や、他の歯科医院でセカンドオピニオンを利用する場合に利用してみましょう。

※矯正治療が失敗と感じたら、まずは治療を受けている医院に相談し、対策を講じてくれるのか確認しましょう。他院に転院をし、再治療になると追加料金が発生することもあります。

信頼のおける歯科医院を探して後悔のない治療を

矯正治療は長期に渡る治療になります。よく考えて歯科医院を決めましょう。矯正治療は将来の健康にも繋がる治療ですので、費用の安さだけを重視して歯科医院を選ぶのはおすすめできません。

1番良いのは気になる医院をいくつか選んで、実際に出向いて相談してみることです。

かなまる歯科クリニックでは、矯正治療に関するご相談には無料で行なっております。

「なぜ無料なのですか?」とご質問いただくこともありますが、矯正治療は患者様とクリニックの長いおつきあいになりますので、治療内容や医院の雰囲気までしっかり見ていただく機会にしていただけたらと考えております。

また専門性が高い治療のため、インターネット上だけでは正しい情報を得ることも難しいという現実もあります。より多くの方に正しい情報をお伝えするためにも、当院は無料で矯正相談を受け付けております。

矯正治療をする・しないに関わらず、歯並びや噛み合わせ、歯の見た目に関するお悩みなどがございましたらお気軽にご来院ください。

矯正無料相談のご予約はお電話、ネット予約、メール相談からも受け付けております。

それでは、あなたからのご相談をお待ちしております。

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