下顎前突
反対咬合・受け口(下顎前突)の矯正治療
下顎が上顎に比べて出ているの不正咬合を下顎前突(反対咬合)と言います。
前歯の咬み合わせが上下逆になっている状態を指し、「受け口」や「しゃくれ」とも呼ばれます。
受け口(下顎前突)の原因
受け口の原因は主に遺伝ですが、幼い頃の口腔習癖の影響など様々な要因があります。
受け口の症状
- 食べ物を前歯で噛み切れない(食事がしづらい)
- 「サ行」が言いづらい(滑舌への影響)
- 顎関節に負担がかかる(顎関節症)
- 見た目
特に注意したい症状が噛み合わせです。
前歯の噛み合わせが上下で逆になった反対咬合は、「前歯で噛み切る」ことに問題が生じがちです。
食べ物を前歯でうまく噛み切れないと、他の歯を使う頻度が高まります。
奥歯を酷使するせいか反対咬合の方は、年齢を重ねると、奥歯を失っていることが多いと言われます。
反対咬合ではなかった方でも、噛み合わせが悪いことが原因で顎をずらして食べたり、顎関節に負担をかけつつ噛むといったことを繰り返し、顎関節症のリスクが高まることがあります。
受け口のリスク
「健康長寿のために80歳で20本以上自分の歯を残しましょう」という日本歯科医師会推進の「8020運動」というものがあります。
この「8020」達成者には、受け口の方はほぼいらっしゃいません。
下顎前突は、奥歯や他の歯に負担が大きくかかり、ダメージを受けやすく、そのために虫歯や歯周病にもかかりやすい事が原因と考えられます。
奥歯を失えば、将来的に入れ歯やブリッジ、インプラントといった治療が必要になります。
受け口の治療法
「受け口」(下顎前突)はその度合いは患者様によって異なります。
前歯では全く噛めない方から、前歯で噛むと奥歯で噛めない方など様々です。
舌癖、開咬、叢生(そうせい)などをあわせ持つ方も多くいらっしゃいます。
治療方法は症状に応じて選びます。
歯並びが原因の受け口
下の前歯が外側に傾いているために下顎前突になっているケースです。(骨格;上下の顎の大きさに問題なし)
骨格に起因する下顎前突
下顎の骨格が前に位置しているためになっているケースです。
このタイプでは「歯並びが原因で下顎前突」も併発しているケースが多く見受けられます。
原因は骨格にあり、矯正治療だけで改善が見込めなければ外科矯正を行うこともあります。
成長期の10歳前後のお子様でしたら、口腔習癖(舌の使い方、飲み込み方)をトレーニングすることで上顎の成長を促すことができます。
本来あるべきバランスに上下の骨格を整えられれば、成長に合わせて下顎前突が改善されます。
外科手術について
全身麻酔で顎の骨を切ります。
10日ほど入院をして、回復まで3~4週間ほどかかります。(術後に腫れるため)
外科手術を伴う「顎変形症」などは、厚生労働省の定めるルールに基づき健康保健が適応になります。
健康保険で受けられるケースでは、矯正治療はワイヤー矯正(表側矯正)のみ認められています。
下顎前突に関する「よくある質問」
Q. 受け口の治療を悩んでいます
A. 受け口を治すかどうかは見た目ではなく「噛み合わせ」で判断してください。
下顎前突では、噛み合わせのバランスが悪いため奥歯にとても大きな負担がかかります。その影響で虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
まずは今の噛み合わせバランスを歯医者さんで検査・ご確認ください。
Q. 受け口の矯正治療は健康保険適応内ですか?
A. 矯正治療は基本的に自由診療です。健康保険は適応されません。
もし、顎変形症など顎の骨を切る外科処置(セットバック)を伴う場合は、健康保健が適応されることがあります。
ワイヤー治療は保険が適応されます。
詳しくご説明差し上げます。お気軽にご質問ください。
Q. 受け口の治療は、ワイヤー矯正かマウスピース矯正になりますか?
A. かなまる歯科クリニックでは、骨格的問題や外科手術を伴う症例以外は、ほとんどの治療でマウスピース矯正「インビザライン」にて対応できます。ワイヤー矯正にも対応しております。
患者様のお一人おひとりのご希望、症例に最適な治療方法をご提案致します。